しみず幼稚園におじゃましました。ーいのちの保育ー


 【「いのちの保育」を目指して幼稚園をつくった
西村光一郎園長先生】

8月3日、TOMOはうすのメンバー3人で、土佐清水市にある
「認定子ども園・しみず幼稚園」にお邪魔させていただきました。
 ここは、県内の保育所・幼稚園・各学校をまわって、楽しい体育を実践されているみやもっち先生がお勤めになっていた幼稚園。みやもっち先生に「ぜひ、遊びに来て下さい。」と誘っていただいたので、わくわくドキドキしながら伺いました。
 この日は、翌日が「あしずりまつり」で、それに向けての準備もあり大忙しだったと思いますが、園長先生はじめ先生方には大変お世話になりました。一緒に食べた給食のカレーもおいしかったです!ごちそうさまでした。
      【子どもと動物と大人と みんながふえ合える園庭】

 【隠れる所がいっぱいの園庭ー下はすもうの土俵】

【園長先生の船の上の部分も園庭に】
 思わず、中にもぐりこんだり上によじ登ったりしたくなる園庭。

 子どもたちは園庭でもはだし(夏は熱中症対策として希望者は靴を着用)
冬も薄着で生活しているとか。





 園庭には特別なことは書かれていませんが、一目見るだけで「すべてのいのち」を大切にしていることが肌を通して伝わってきました。

 午前中は、併設の「つぼみ幼稚園」の乳児さんも集まって、お誕生日会が開かれました。
 【園長先生のお話「みなさん、人間にとって一番大切なものは?」】
  お誕生日会は、園長先生のお話から始まりました。
園長先生「みなさん、人間にとって一番大切なものは何ですか?」
子どもたち「いのちー!」
 当たり前のことなのに、子どもたちの元気な「いのちー!」の声にハッとして、この短いやりとりに思わず胸が熱くなりました。

【お誕生日会の主役の子どもたちーお母さんからの手紙】
  親子はいつも一緒にいるので、改めて親の気持ちを子どもに伝え
 る、という機会はあまりないのではないでしょうか。小学生でも、こ
 んな風に両親から手紙をもらうと「こんなことをお父さん、お母さん
 思うちょったがや。」とびっくりするやら喜ぶやら。ほっこりいい時
 間が流れます。この日の主役の子どもたちも、お母さんからの手紙に
 恥ずかしそうな、はにかんだようなとびきりの笑顔でした。

【先生方からの紙芝居のプレゼント】
  お誕生日会の最後は、先生方から紙芝居「地獄のそうべえ」のプレ
 ゼント。まず、この大きな紙芝居にびっくり!聞くと、この大きな枠
 は保護者の方々の手作りだそうですよ。保護者の方にも愛されるしみ
 ず幼稚園なんですね。そして先生方の大熱演に、子どもたちはもちろ
 んのこと、私たちまで引き込まれました。
  園長先生いわく「うちは私立なので定年がないんです。でもみん
 な、辞めないんですよね。」生きがいを持って働き続けられる職場
 ーいいな、いいな。今、こんな職場がどれだけあるでしょう。それも「いのちを大切にする保育」を目指しているからでしょうね。

【こどもの国ー山を借り受けて建設した遊び場】
 この日は行きませんでしたが、幼稚園から1㎞離れた所に山を借り受けて建設した遊び場「こどもの国」があるそうです。
「山の神様」「しいの実・どんぐりの森」「子ども広場ロープウェイ」「いのしし(ブーリン)」「文学館」名前を聞いただけでワクワクします。中でも「どらねこ鉄道」は全国から支援を受けて、3年がかりで完
成したそうで、子どもたちに大人気だそうですよ。
  
 小動物や草花に触れ、それぞれの季節を身体で感じとって遊ぶーそれがこの「こどもの国」。

 今、このブログを書いている時も「2学期のスタートを目前にして自殺する子どもが急増する」という悲しいニュースが流れています。「自然に親しみ、全てのいのちを大切にする」この当たり前のことが当たり前でなくなってきている今だからこそ、しみず幼稚園のような取り組みが求められている、とつくづく思います。

 39歳の時に教師を辞めて、この「しみず幼稚園」の〈いのちの教育〉の船出をした西村園長。「人間の自由を求めて退職」これが辞表に書いた言葉だったそうです。

『認定こども園・学校法人 しみず幼稚園の教育』より抜粋
・暴力、喫煙、他傷者、自殺者、非行児になりたくて産まれてくる子は
 絶対にいない。
・みんな、みんな輝いて産まれてきた。
・みんな、みんな幸せな日々を暮らしたい。
 (中略)
・わんぱくがいて、やさしい子がいて・ガキ大将がいて
 いじめっこがいて・なき虫っこがいて
 たすけっこがいて・けんかしてる、仲良く遊んでいる
 それでもみんながいつも集まっている。
 山で遊ぶ。川で遊ぶ。そんな異年齢集団をつくろう。
 しみず幼稚園はそんな昔のはらっぱ生活、はらっぱ集団暮らしの場
 にしよう。
 (中略)
  時代はどんどん流れていきます。
  これが正しい。この教育しかない。と思ったことはありません。
  ただ、いつの世も、時代がどんなにかわっても、人間にとっての
  いのちより大切なものはありません。
  だからいのちの教育なしに、教育はありえません!

 みなさんは、こんな風にまっすぐに「いのちの教育」を語っていますか?私は…まだまだです。😢

  だが、さりとていのちの教育はこれしかない!ということはありま
 せん。本園のはだし、動物だけがいのちの教育ではないでしょう。他
 にもいっぱい手立て、方法、やり方はあるはずです。
  どうかぼく流の36年間みんなで積み上げてきた本園の目標・行
 事・日常の生活、いのちの教育を基本にして、みんなで時代にあった
 いのちの教育をさがして下さい。(中略)
  日本の宝物である子どもたちのために。

 私は、この春、小学校を退職しました。TOMOはうすの仕事に専念するようになって、みなさんの前で講演したり、校内研に呼んでいただいてアドバイスする機会が増えました。
 だからこそ!前に立つ機会が増えれば増えるほど、西村園長先生の「これしかない!ということはありません。他にもいっぱいやり方はあるはずです。」という「柔軟」で、「聞く耳を持つ」という姿勢を見習わなくては、と強く強く思ったことでした。
 誰に一番だまされやすいかーそれは自分自身です。思いが強ければ強いほど、周りの意見が聞こえなくなってしまいます。
 これからも学び続け、仲間といっしょに発達障がいのある子どもたちと保護者の方々を応援する輪を広げていこう、という思いを強くし背中がピンと伸びました。
 
 しみず幼稚園訪問は、改めて「いのちの教育」の原点を見つめなおすことになり、自分自身のこれからの生き方のヒントもたくさんいただけた、心の旅ともなりました。

 西村園長先生、しみず幼稚園の先生方と子どもたち、そしてみやもっち先生、本当にありがとうございました。

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