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「漢字は字体さえあっていれば、形が判別できればいいのです!」

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2月10日~11日に道村静江先生をお招きして「書かないで、唱えて覚える漢字学習・漢字指導法」講座を開催しました。 「漢字の仕組みを覚える」「唱えて覚える」「体で覚える」「漢字の成り立ちをクイズにして覚える」等々、楽しい覚え方が満載でした。  伺う話、どれもこれも「へえー、そうなの?」と目から鱗の内容でしたが、特に道村先生の 「国は学校の先生たちに強く言っています!字体(骨組み)さえ合っていれば、違う字に見えなければ全部正解なのだと!とめ、はね、はらいなどの先生たちがこだわる整った字形は、第二ステージの課題にすべきです。」 という話には、私も含めてみなさんのメモ書きする手に力が入りました。  このお話の論拠になるのが上記の書籍『常用漢字表の字体・字形に関する指針 文化審議会国語分科会報告 平成28年2月29日』(文化庁編 三省堂 2400円+税)です。 何だか難しいそうな書名ですが、第3章では字体・字形についての国の指針を「Q&A」形式でまとめていてわかりやすいです。その中から一部抜粋しますね。 Q21 漢字の正誤をどう判断するか(P78)    常用漢字表の考え方では、漢字が正しいか誤っているかを、どのように判断する   のですか? A 骨組みが過不足なく読みとれ、その文字であると判別   で きれば、誤りとはしません。   (前略)別の文字と見分けられなかったり、紛れてしまったりすることがなく、その   文字であると判別でき、その文字としての働きをするのであれば、誤りとはしない、   という考え方です。    ですから、 漢字の細部のとめ、はね、はらいなどが、字体の違いに影響し、文字の   判別に関わってこないのであれば、その有無によって正誤を分けることはしません。   (後略) これには こ これには、本当にびっくりでした。漢字指導の際には、とめ、はね、はらいを丁寧に教え、できていない時には「これは間違いだよ、」と書き直させたこともありました。でも 漢字が苦手な子どもたちは、図形を描くような筆順だったり、とめ、はね、はらいができてないことも多いので、いちいちそれを直していたら、漢字が嫌いになるよなあ、と片目をつぶっていたこともしばしばでした。  でも、このお話を伺って、びっくり...

「書かないで唱えて覚える漢字学習・漢字指導法」支援者向け講座が終わりました

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今日は、静岡県から道村静江先生をお招きして「書かないで唱えて覚える漢字学習・漢字指導法」支援者向け講座が開催されました。道村先生は、盲学校に勤務された時に、全盲の子どもたちが楽しく学べる漢字指導法を考案され、その後、小学校に勤務する中で、ひたすら書かせる漢字学習法に疑問をもち、『ミチムラ式漢字カード』を作成されました。  初めて道村先生のお話を伺った時には、こんな指導法があったんだ!と「目から鱗」が一体いくつ落ちたことでしょう。道村先生をお招きしたのは今回で2回目ですが、やっぱりポロポロ、ポロポロ、鱗が落ちましたよ。今日は、その落ちた鱗を少しだけ紹介!    ★やめましょう!書かせるだけのムダな作業は。   ★子どもが楽しめないんじゃ意味がない!   ★漢字を楽に覚える方法があるんです!   ★3年生までが勝負、4年生以降は一気に楽になる   ☆国は、学習指導要領は先生たちに強く言っています!    「字体(骨組み)さえ合っていれば、違う字に見えなければ    全部正解なのだ」と!   ≪参加者のみなさんのアンケートより≫ こんな指導法があったんだと目からうろこでした。自分自身が研修を受けて「そうなんだ!」「なるほど」と思うことがたくさんありました。ぜひ子どもたちにも教えて漢字が苦手な子から、好きな子にかえてあげられたらなと思いました。今日は、参加して本当によかったです。 私の受け持ちの子どもも、漢字を一画一画うつしていました。パーツで教えることは直感では考えていたのですが、実践には至りませんでした。来週からでも始めてみたいと思います。 道村先生の子どもに楽しんでもらいたい!いかに子どもを楽しませ印象づけるか、ということを考えて実践される熱意を感じる研修でした。自分には楽しませるという視点が足りなかったなと反省しました。また「わかった!できた!」の喜びを与えることの大切さを改めて痛感しました。     明日の保護者向け講座も楽しみす。

高知市でのティーチャーズ・トレーニング 参加者のみなさんの感想③

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今日は、高知市ティートレ参加者のみなさんの感想文紹介最終回です。 AコースもBコースも、最終回は「これで終わりだね、寂しい!」と言って、みなさん 会場に入ってこられました。うんうん、それはこちらも同じ!  6か月も一緒にトレーニングすると、みなさんの宿題報告話(成功したことも失敗したことも)に、こちらも一喜一憂しながら、どれだけ勇気をもらい、またそれが自分の実践の参考になったことでしょう。月に一度だけ会う仲間なのに、すっかり、共に頑張っている≪同志≫そんな絆を感じるようになりました。  全6回、大変お世話になりありがとうございました。一言では言い尽くせないほど感謝しています。日々、Tトレに救われ、生徒たちとの関係は良好です。それが何よりありがたいことです。県外に行かなくても、こんな身近な所で学べるなんてぜいたくです。本当にありがとうございました。 (特別支援学校高等部教員 困り感7→3)     最初は、ティーチャーズ・トレーニングに全て参加できるかどうかも分からずでしたが、終わってみればあっという間だったように感じます。  ほめることの大切さは分かっていながらも、実際はぼんやりしたものだったことに気づかされ、自分の中ではやっている つもり のことが多かったことを反省。トレーニングをしていくうちに少しずつですが、 いろいろな方法で関わっていくことが分かってきたように思います。子ども、保護者だけで               なく職員に対しても25%ルールでいっぱいほめていきた いと思ったことでした。まだまだこれからがスタートですが、自分の引き出しを少し 増やすことができたこと、また、先生や一緒にトレーニングを楽しくさせていただいたみなさんに感謝します。どうもありがとうございました。最後…ということで、とても寂しいです(涙)                      (保育所園長 困り感7→3)                        予告や交渉は今までもしてきたつもりでしたが、それでもうまくいかなかった時に、さて、どうしよう…と困ることが多かったです。特典や報酬も「ものでつる」というイメージもあり、どうなのかな…と思っていましたが、それを与えることが終わりではなく、良い行動ができたことを「ほめる...

高知市のティートレ感想文の続きです!②

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高知市でのティーチャーズ・トレーニングがAコース、Bコースともに、みなさん、 力をしっかりつけて感動的に最終回を迎えられ、またその感想文も素敵だったので、連日ブログにアップしようと思っていたのですが、学期末のばたばたで、続きがこんなに遅くなってしまいました。😢  今日は、学校の先生ではない方たちの感想文です。    今まで、事業で何気なく親子に接していました。しかし、ティートレを受けて対象者のいい点に目が向くようになりました。また、ほめる際にも行動をほめるように気を付けるようになりました。少しでも事業で出会ったお母さんたちが気持ちよく帰ってもらえればと思っています。  6か月間ありがとうございました。受けてよかったです。                      (保健師 困り感4→3)                                  参加されている先生方の接し方や宿題の結果を聞けるのが、とても勉強になりました。楽しかったです。保護者様や先生方にお伝えできる具体的方法もたくさん学べました。(ST 困り感5→3)  6回コースで長くも思えましたがあっという間でした。仕事をしながらこういった学べる 機会があることは大変ありがたいことだと思いました。自分が教員をしていた若いころにこのようなコースがあればよかったのになあ、と思いながら受けさせていただきました。  「見えるもの」「聞こえるもの」「数えられるもの」=行動に着目し、「好ましい行動」「好ましくない行動」「危険な行動」に分けること。 そしてそれらに対応した教員の接し方。これらを分かりやすく学ぶこと         ができました。いろいろな形で、いろいろな方に伝えられるといいなあ         と考えています。久武先生のナイススマイルが≪笑顔のモデル≫というこ         とを何より一番学んだように思います。         (教育研究所職員 困り感4→3) (*'-'*)まあ、そんなに言っていただいてありがとうございます。😉  先日、LD学会の「子ども虐待と脳科学」の教育講演のお話を紹介しましたが、講師の友田明美さんは「マルトリートメント(不適切な養育)をしている親も傷ついている。これからは、親も子どももいっ...

高知市のティーチャーズ・トレーニング終了しました!

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高知市で半年間かけて行ってきたティーチャーズ・トレーニング(TT)が、2コースともこの12月で終了しました。  参加されたみなさんは、保育士、小学校教員、特別支援学校教員、ろう学校教員、保健師、言語聴覚士、高知市教育研究所職員等、幅広い職種の方々でした。  半年間のお付き合いだったので、最終回の日は「寂しいです!」と会場に入って来られる方も多く、名残を惜しみつつ解散したことでした。  いい仲間ができた、ということも大きな収穫でしたが、何よりトレーニング開始前と終了後で比べると、参加者全員の困り感が激減していたことが感動的でした。 【みなさんの感想文】 ☆トレーニング中、私たちのことを≪同志≫という言葉で表現し  ている人がいましたが、同僚性をメンバーと感じられたり、一  人ではないんだ、いつでも相談し合えるのだということを再確  認したりし、今後もこれを糧にやっていきたいと思います。  TTの中で、いろいろなトピックからも学ぶこともあり、一貫  する学びからもゆるがない流れを感じることができ、それに乗  ってやっていこうと思います。1月の河内さんの講座も受講でき  ると思うので、今後ともよろしくお願いします。遠目に自分の  ことを見てやって下さいね、田辺先生!久武先生!             (小学校教諭 困り感7→5)  ☆TTを受講してから、子どもをほめることが増えてきて、子ども   との関係性が良くなりました。もちろん、全てをすぐにできるよ   うになった訳ではないですが、、叱ることが減ったこと、子ども   を25%でほめられるようになったことは自分の中での大きな変   化で、それに気づいた時はとてもうれしかったです。TTを受講   して本当に良かったと思いますし、自分の間違った指導に気づく   ことができました。本当にありがとうございました。              (小学校教諭 困り感7→5)   ☆これから保育をしていく中で、「私はこうしていきたい!」「こ    ういう保育をしていきたい!」という軸に初めて出会ったと言っ    ても過言ではない感動を受けました。まだまだ自分のものにはな    ってないけど、少しずつ入っていっている自分が嬉しく...

LD学会での学び ①子ども虐待と脳科学

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LD学会第27回大会(新潟) 11月23日~25日、新潟市で開催されたLD学会に参加してきました。新潟は思ったほど寒くなく雨も少し降った程度で、最終日はワイナリーにも泊まって、快適で楽しい旅となりました。もちろん、いい学びもいっぱいできましたよ。  私の中での心に残る№1は、 友田明美さん(福井大学子どものこころの発達研究センター教授)の「子ども虐待と脳科学」 という教育講演でした。  新聞やテレビで報道される子ども虐待の数々の事件を見聞きしたり、「虐待は連鎖する」という言葉をひんぱんに耳にしたりするたびに、暗い気分に陥っていました。  そこで、この友田さんの話は絶対聞きたい、と楽しみにしていたのでした。  講演が終わった後、一緒に参加していた友だちと「これを聞いただけでも新潟に来た甲斐があったね。」と熱く語り合ったぐらい、友田さんのお話はこれからの未来に ≪希望≫ が持て ≪勇気≫ が湧いてくるものでした。  この時のお話のメモを友田さんの著書を参考にしてまとめてみました。少しでも、みなさんのお役に立てるといいのですが… 『子どもの脳を傷つける親たち』(友田明美・NHK出版新書) 「虐待が脳を変える」(友田明美・藤澤玲子 新曜社〉 1.「マルトリートメント」(maltreatment)という考え方   =mal(悪い)treatment(扱い)   =子どもに対する不適切な関わり、養育  ・「虐待」という概念は1960年代のアメリカで広がっていった。       ↓  ・ 1980年代になると、「チャイルド・マルトリートメント」という表現が広く使われるようになってきた。  ・「虐待」という言葉は強すぎ。子どもにとって「不適切」な行為であっても、虐待と感じるほどひどいとは思えないために、その行為が見過ごされる。また必死で子育てをしている親を深く傷つけ人格全体を否定してしまいかねない。親が子育てに自信を失うことは、子どもとの関係がますます悪化することにもつながる。  ・「マルトリートメント」とは、子どものこころと身体の健全な成長・発達を阻む養育全てを含んだ呼称。大人の側に加害の意図があるか否かにかかわらず、また、子どもに目立った傷や精神疾患が見られなくても、行為そのものが不適切であ...

ライフスキルトレーニングのクリスマス会

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12月2日のクリスマス会  12月2日(日)は、ライフスキルトレーニングのクリスマス会でした。ふだんのトレーニング(ぼちぼちいこかレッスン)は当事者さん(ASDの青年)だけが参加するのですが、こんな楽しい会はお母さん方もいっしょです。  この日の日程は上の写真の通り。役割分担は、当事者さんたちに決めてもらいました。 自分で選択する、というのは生活の質を高めるうえでもとっても大切なことで、意欲も湧いてきますものね。ケーキデコレーション係とたこ焼き担当の人は、下のレシピを見ながら、楽しくつくっていきました。ちなみに、この素敵なレシピは保育士さんでもあるスタッフのSさんがちゃちゃっと作ってくれました。   こんなレシピがあると、先の見通しが持てて取り組みやすくなりますよね。それに家庭でもやってみようかな、と余暇活動につながる可能性もあります。 みんなでいただきまーす! 120個以上あったたこ焼きも全て完食、どれも簡単にできてとってもおいしかったです。   音楽に合わせて、品物を順番にまわしていきます。どれがあたっても嬉しいプレゼント交換でした。 そして最後はトランプ。今回は「豚のしっぽ」に挑戦。これは簡単だし、ハラハラドキドキもあって、とっても盛り上がりました。  これで、今年のライフスキルトレーニングはおしまいです。来年は、新年会+新しい仲間の歓迎会を兼ねて1月20日行います。  こんないろいろな体験が、余暇活動につながっていくといいですね。