はなみずき会の講演会でお話しさせていただきました②
【ティーチャーズ・トレーニング】
行動分析の仕方を紹介した後は、「ティーチャーズ・トレーニング」
の最初の一番のポイントになる点について、いっしょに学習しました。
人が人として、すくすく育っていくためには、周りの大人から「ほめられること」「認められること」がとても大切です。注目され、ほめられることで子どもは初めて自信を持ちます。自分への自信は、たくましく立ち直る力を育てます。
この「注目」の力は本当に大きいもの!この力を使って、子どもを育てていきたいですよね。でもでも、この「注目」には、実は2つあるのです。「ほめる」という「肯定的な注目」と、叱る・注意するといった「否定的な注目」。
先生に構ってほしい子どもにとって、先生に注目してもらえる一番
手っ取り早い方法は何でしょうか?
それは…物を壊す、誰かを叩く、高い所に登る等々。こんなことをしたら、何を置いても先生はすっ飛んできてくれます。どんなに叱られて、わんわん泣いたとしても、その時は先生を独り占めなので、この行動は減りません。
こんな「否定的な注目」ばかりだと、自己肯定感は下がってしまうし、気持ちがねじれてしまうので、やっぱり「肯定的な注目」をいっぱいして子どもを育てていきたいですよね。
このようなお話をしたところ、この点については以下のような感想が寄せられました。
☆保育士の関わりが変わることで、子どもたちが変わっていけるこ
とを感じ、頑張ろうと思った。
☆親御さんもほめてもらった経験が薄い時代だったし、、保育士もな
かなか認めてもらえない今、必死に保育している若い後輩たちが多
いように感じます。全世代の保育士の意識が変わって、子どもだ
けでなく同僚、後輩保育士にも「25%でOK」の誉め、ができた
らいいのにな、と感じています。
私は今でも、はるか昔、新採4年目のことを思い出します。元気な43人の子どもたち!だんだん学級が荒れてきた頃、友だちにいっぱい愚痴を聞いてもらいました。話し終わると、それまで私の愚痴をじっと聞いてくれていた友だちが、ポツンと一言「夕希ちゃんの話は、子どもの悪いことばっかりやね。」
その時のドキッとした気持ち、後ろめたいような恥ずかしいような気持ちは、今でも忘れられません。
一生懸命、「子どもの悪いところは指摘して直さなきゃ」「これもできてないから教えなきゃ」と、良くない点を見つけもぐらたたきをやっていました。もぐらたたきに疲れ果て、どの子にもある「その子なりの頑張り」や「(当たり前に見えるかもしれないけど)いい行動」には気づかなくなっていました。
そして1年が終わるころ、私は自分の学級を崩壊させてしまいました。あの43人の子どもたちには大きな借金をしたまま、お別れしました。
今の時代、保育士さんや先生たちはあまりにも忙しすぎて、学級の中の、静かに待っていてくれる子どもたちのことは、ちゃあんと認めてはいるものの、そこには声をかけず(=肯定的注目はしないで)ついつい気になる子どもに否定的注目をしてしまう、そんなことが多いのではないでしょうか。
当たり前と思われることでも、みんなの前でどんどんほめていきましょう。1人をほめたら、周りの子どもも張り切って「僕も、私も」といっぱいいい行動が出てきます。
さらに、思いもしない「好ましい行動」が出てくるので、これには
いつもびっくりするやら嬉しいやら。
先日、ペアレント・トレーニングを受けて下さっているあるお母さんが、こんなお話をして下さいました。
「ペアトレの1回目に、当たり前と思うことでも誉めることが大切。
と習ったので、ふだんは叱ることばっかりだったけど家でもほめて
みました。ある時、家に帰ってみると、子ども(4歳男子)の方が
先に帰っていて、流し台の所で食器を洗っていました。今まで、や
らせたこともなかったので、びっくりして「食器を洗ってくれゆう
が?」聞くと、「お母さんが嬉しいき。」と言ったのです。本当に
嬉しくて動画に撮り、おばあちゃんにも送りました。」
ちょっぴり嬉し涙を流しながら、そのお母さんはその動画を見せて下さいました。
大好きなお母さんがほめてくれる、先生が認めてくれるって、これほど嬉しいことなんですね。
いろんな先生方や保護者の方たちとお話する中で、毎回、そのお話の中に出てくる子どもたちに、「ほめることの大切さ」を教えてもらっています。
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