イギリスでの研修②「アーリーバードプラス」プログラム
アーリーバードセンター私たちの机の上の癒しグッズ |
イギリス人、デンマーク人、そして私たち日本人という参加者でしたが、みなさん、自由にこの癒しグッズに触れながら、「アーリーバードプラス」プログラムのライセンスを取るための3日間の研修が始まりました。
☆勉強が分からない子どもの気持ち、ようく分かりました、痛いほど!
研修は、案の定、英語が全く聞き取れず、勉強がわからないまま机に座っている子どもの気持ちがようく分かりました。テンション、めっちゃ下がりますよ!
そしてそして、勉強の内容が分からないと、気が散る!気が散る!注意散漫になるとはこういうことか、も実感。
「アーリーバードプラス」プログラムのライセンスを取得した日本での第1号は、東京まめの木クリニックです。私たちはそれに続く第2号を目指していたので、事前にまめの木クリニックからテキストの日本語訳をいただいていました。(イギリス自閉症協会のOKを得て)そのおかげで何とか大体の内容は理解できましたが、他の参加者のみなさんや講師の方々の体験談などはさっぱり分からず、みなさん爆笑の時も私たち日本人のテーブルだけついていけず「しーん…」コミュニケーションがうまく図れないというのは、本当に寂しく辛いものです。
「自閉症の人たちの世界を理解するために、全く言葉が通じない外国に行った、と想像してみて下さい。」とよく言われますが、まさしくこういうことか、とつくづく思いました。そして決心しました!体験者は語るーこれからみなさんに機会あるごとに、これだけは熱く語ろうっと!
☆話し言葉だけで伝えようとしないで下さい。そこに文字が書かれてあるだけで
理解度がアップします。
☆相手に伝える言葉は、なるべく短く。一時に一事です。
☆文字のほかに視覚支援(実物、写真、記号等)があると、さらに理解度はアップ
します。
このプログラムは、自閉症のお子さんをもつ保護者とそのお子さんに関わる支援者が3人でチームを組み、お子さんによりよい支援ができるようになるためのプログラムです。
自閉症に特化した内容ですが、保護者のみなさんがそれでよければ、発達障がいまたはその疑いのあるお子さんをもつ保護者の方たちでも参加することができます。
☆プログラム構成
2.5時間×8回 +2回の家庭訪問 +3か月後のフォローアップ
保護者の方、そして先生など支援者の人が参加できる曜日となると、土日のどこかの時間帯でしょうか。それが8回続くので、このプログラム実施中はなかなか忙しくなると思います。でも、この約3か月間がお子さんの人生を大きく左右する、と考えると、決して高い壁ではないのではないでしょうか。また先生方にとっても、ここで学んだことが一生の財産となると確信しています。
☆「アーリーバードプラス」プログラムの神髄はこれ!
このプログラムのそれぞれのセッションについては、特別に目新しいことがあったわけではなく日本でもある程度学ぶことができます。
でも、「私たち専門家はなまじ知識があるだけに、それを保護者に教えこもうとしがち。決して教えこんではいけない。」と言われたことに、衝撃を受けました。
今の学校・保育現場は、支援が必要な子どもたちへのサポートがまだまだ十分ではないですよね。それで、できるだけ保護者や先生方に役に立つようなアドバイスをしようとしてきたのですが、ついつい教えこんでいなかったか、押し付けていなかったか、と自分を振り返って反省することしきりでした。
このプログラムを受講した保護者や先生たちは「未来が変わった!」「子育てが楽しくなった。」「これからの実践に確信が持てた。」「自分自身に自信がついた。」「こんな自分でもいいんだ。」等の喜びの感想を書かれています。このように、保護者や先生方が自ら動き出し、成功体験を積んでいく、これがこのプラグラムの素晴らしいところだと痛感しました。
私たちが学んだことは「アーリーバードプラスプログラム」ではありますが、この考え方~「押しつけの支援ではなく、本人が必要としていることをサポートしていく」~特別支援教育の根底を支えるものだと思います。
これから「アーリーバードプラスプログラム」を窓口に、この考え方を広めていきたい
と強く強く思ったことでした。また新しいことに挑戦だ、と何だかワクワクもしてきたんですよ。
詳しくは、来年1月に「アーリーバードプラスプログラム」の報告会を高知市で行いますので関心のある方はぜひご参加下さいね。
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