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4月, 2018の投稿を表示しています

今週のおすすめ本

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 前週から仁淀川町内の公立の保育所全園を巡回させていただいています。子どもたちの午前中の活動の様子を観察し、いっしょにおいしい給食を食べ、お昼寝タイムに先生方と子どもたちへの支援策など、いろいろ話し合っています。そのうちにおやつまで出てくるんですよ。😋  かわいい子どもたちに癒され、そして一生懸命取り組んでいる先生方から元気をもらう楽しい毎日です。  これを機に読み直した本があります。 福岡寿さんの『発達障害の子がいる保育園での集団づくり・クラスづくり』(エンパワメント研究所)。    以前、小学校で大事なのは中間層の子どもたちをどう安定させていくかが学級作りのキーであり、それが結果的に発達障害のある子どもの支援にも有効」ということを、このブログに書きました。  福岡さんのこの本の第1章には、まさしくこのこと=「発達障害のある子にとって、何よりもクラスの環境づくりと集団づくりが大切である」ということをまとめられています。 第1章「発達障害の子にとってわかりやすい「集団」づくりのポイント   ☆登園後の自由遊びの時間、クラスの活動に工夫を  ☆そのつど指示を出し続けるクラスと、園児たちが先を読みながら   動けるクラス  ☆思いつきの説明をしない、思いつきのルールを出さない  ☆待たせすぎず、テンポよく、思い切りやれた!という工夫を   etc 第2章「複数の保育士が連携したクラス運営」    今日もある保育所を訪問しました。お客さんの私が教室に入ってい  くと、みんな興味津々。給食をいっしょに食べると、いっぱい話しか  けてくれ、ついついおしゃべりに花が咲き…気が付くと給食が全然す  すんでいない!いやあ、これは私が原因、大反省でした。😅   このように複数の保育士がいる場合、相互にどう連携していくか、  がとても大事になりますよね。これについては、第2章できっちりま  とめられています。   ☆複数であってもまるで1つの人格のような抜群のチームプレイで  ☆加配保育士は黒子に徹する  ☆主の保育士と加配保育士の連携で、発達障害のある子を集団の活動   に巻き込んでいく 第3章「発達障害児のこんな場面~具体的かかわりを考える~」    とにかく支援方法が具体的に書かれていて、とても参考になります

仁淀川町でペアレント・トレーニングを始めました。

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 4月13日(金)から、仁淀川町大崎保育所を会場にペアレント・トレーニングを始めました。 参加者は11名のお母さん方。 1回目は、ペアレント・トレーニングの概要の説明と「行動を3つに分ける」という課題。子どもたちの行動を ☆好ましい行動(あたりまえの行動でもOK) ☆好ましくない行動 ☆危険な行動、許しがたい行動 に分けていきました。  なぜ、3つにわけるか分かりますか?私も初めてこのトレーニングを受けた時には、その答えを聞いて「うーむ。」とうなりました。  その答えは、この3つの行動に対するこちらの対処法が違うからです。  それまで、好ましくない行動も危険な行動も、全部同じように叱っていた私は、大反省したことでした。 では「好ましい行動」に対してはどうするか、というとほめます。 当たり前のようでいて実は、どのタイミングで、どの位置で、どんな表情・声で、何といってほめるか、結構難しいのです。  「ほめる」ということについては2回目のテーマなのですが、簡単にほめ方の練習をしておいたところ、お母さん方、さっそく実行された方がおいでました。  そしてこんなエピソードを話して下さいました。 子どもが片づけをしていたので、練習したように近づいて笑顔で「上手に片づけているね、えらい。」とほめたら、子どもが顔を隠して片づけが止まってしまった。「どうしたの?」と聞いたら、子どもが「恥ずかしい。」と一言。「お母さんがこんなにほめたらいや?」と聞くと「嬉しい。」とのこと。でも片づけは止まってしまったのだが、良かったのだろうか。という質問でした。  何て微笑ましいのでしょう。ほめられたお子さん、とっても嬉しかったんでしょうね。にこにこ笑顔のお2人の姿が目に見えるようで、私まで嬉しかったです。  この場合、片づけは止まったとしても、お母さんにほめられることが子どもにとってどんなに大きな喜びなのか、お母さんも実感されたことと思います。いいコミュニケーションの始まりですね。素敵ステキ。 ペアレント・トレーニングは、このように参加者のみなさんの成功談、失敗談もみんなで共有しながら、進めていきます。いろいろな体験談を共有することが、自分の引き出しを増やすことになるし、話しながら、また伺いながら「なぜ失敗したか。」が自分でわかるようになるので

NHK  あさイチ 「発達障害かも」と言われたら…

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今週月曜日(4/16)、NHKの「あさイチ」と言う番組で 「発達障害かも」と言われたら…という特集の放送がありました。 お子さんのことが心配で、やっとの思いで病院に行くと「グレーゾーン。」という診断だった、親はどうすればいいんだろう、というたくさんの保護者の方々の悩みが語られていました。白黒はっきりすると対応の仕方も分かるのに、と。 確かに、最近、はっきり診断名を書かないドクターも多いと聞きます。そして実際、「本当の発達障害か、様々な要因が重なってそれに似た様相を呈しているだけなのか、なかなか見極めがつかない。」とおっしゃるドクターもおいでました。 私も学校現場にいて、見極めが難しい場合も少なくない、というのが実感です。保護者の方々の「大丈夫だろう。いや、でももし発達障害だったら…」揺れ動く気持ち、どれだけ不安で辛いことでしょう。 この番組が始まって1時間ほどでお悩みのメール、FAXは3200通を超しました。それだけ困っている人が多い、ということでしょうね。 でも特別支援教育というのは、「診断があるから支援する、ないから支援は必要ない」というのではなく「診断のあるなしに関係なく、必要がある人にはその人に応じた支援をしていく」というものです。 教育現場のほとんどの先生方は、寝る時間も削って一生懸命取り組んでいますが、子どもたちのニーズが多岐にわたってきて、なかなか支援が追い付かないというのが現状だと思います。 その子どもにとって「できた!」「楽しい!」「嬉しい!」を1つずつ 増やしていく、そういう支援の輪を教育現場だけでなく、いろいろなところで広げていきたい、TOMOはうすもその1つになれたらいいなあ、と番組を見ながらつくづく思ったことでした。 ちなみに、NHK 4月30日(月)8:15~ 「大人の発達障害」の特集番組を予定しているそうです。

新年度、おすすめの本

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今日が入学式、という学校も多かったのではないでしょうか。 私は3月末で退職しましたが、来週から週に2日は仁淀川町で勤務することになりました。その他の日は、TOMOはうすの活動に専念できそうで、わくわく!張り切っています。 さて、新年度にふさわしいおすすめの本を紹介しますね。 『特別支援教育がわかる本3 通常学級でできるトラブル・行動問題への対処 (内山登紀夫監修 温泉美雪著 ミネルヴァ書房』 新しい学級のスタート、いろいろ気になるお子さんが目につくことでしょう。 でも、そのお子さんにどう対処しようとそこだけにやっきになると、あっという間に学級が崩れていきます。実際に私も若かりし頃、学級を崩壊させてしまうというつらくて悲しい思い出があります。  学級集団を分析すると、2割の安定層、6割の中間層、2割の特別支援が必要な層、の大きく3段階に分けられると言われています。この6割の中間層をいかに安定層に近づけるかが、今後の学級経営のカギなのです。まずは、学級全体を落ち着いたクラスにすることが、全ての子どもへ支援をいきわたらせることになります。  この本は、具体的な事例(ケース①勝手な行動をするあきら君 ケース②トラブルが絶えないひでと君…)をあげながら、3ステップの支援の流れを示しています。 【①クラス全体へのはたらきかけ】→【②その子どもとの関係づくり】→【③その子ども  への直接的なはたらきかけ】 学級全体が落ち着いていないと、気になるお子さんにいくら個別の支援をしても、効果が上がりづらい、という場面をよく見てきたので、この本の「3ステップの支援」には大賛成!と思いました。 ★「まずその場で、気づいたときにすぐにできる支援」 ★「その場での対応、これはNG」 ★「こういう視点が必要です」 ★「背景要因をさぐってじっくり支援」 などなど、かわいいイラスト満載でとてもわかりやすいです。